この記事の監修者
亀崎智子 (かめざき・さとこ)
「食べ方」と「出し方」をお伝えするかめごはんの料理教室を主宰。昔ながら季節の手仕事や発酵食品、オーガニック食品などの取り入れ方が得意。マスターファスティングコンシェルジュ
◎ 公式サイト kamegohan.com
金柑は咳止めの薬効があり、ビタミンCも豊富ですので疲労回復にも風邪予防にも適しています。もちろんお肌にもいいです。
今回は、ビタミンCを豊富に摂れる「金柑スムージー」のご紹介です。生姜を入れますので、じわっと汗が出てきそうなくらい身体の中から温まります。金柑に蜂蜜、生姜を少し加えて簡単にできますよ。
金柑ってどんな果物?
秋冬にスーパーの果物売り場でよく目にすることが増える小さな球の形をした果物です。食べたことはなくても、一度は目にしたことがあるでしょう。
金柑は中国原産のミカンの仲間です。鎌倉時代末期から室町時代初期に日本にやってきたといわれています。
柑橘類の中でもその大きさは1番小さく、皮ごと丸ごと食べることができるのも特徴のひとつです。ただ、生で丸かじりすると、苦みや酸味が強いこともあり、苦手と感じる人もいるかもしれません。
皮をむくとその大きさから食べる部分がほとんどなくなってしまうため、皮ごと丸ごと食べるのがポイントです。
宮崎県が日本の最大生産地
金柑は秋冬限定で楽しむことができる果物です。基本的に、温暖な地域で栽培されるということで、生産量の約65%は宮崎県です。他にも、熊本県や鹿児島県、高知県、和歌山県などを中心に栽培されています。
温室で栽培されたものは11月頃からスーパーなどで目にすることができ、3月まで収穫の時期は続きます。その中でも、美味しく食べることができる旬の時期は、1月中旬から3月上旬といわれています。
この時期に金柑を見つけた場合には、ぜひ、手に取ることをおすすめします。お家の薬箱にも食養生のアイテムのひとつとして持っておきたいですね。
金柑を美味しく食べるために押さえておきたいポイント
金柑を選ぶ時には、4つのポイントを押さえて選ぶとよいでしょう。
- 皮に傷がついてなく、ハリ・ツヤがあるもの。加えて、果皮の色は、赤みが少しかかった鮮やかな黄色のものを選びましょう。
- ヘタの色が緑色であるものを選びましょう。茶色になっているものは鮮度が落ちています。
- 甘みが強いものが好きな人は、大きくてずっしりと重みを感じることができるものを選びましょう。
- 果皮にブルームと呼ばれる白い粉がついているものを選びましょう。
そして、購入した後にどのように保存をするかで美味しく食べることができるのかも決まります。
保存の仕方もしっかりと押さえておきましょう
常温の場合
基本的に、寒い季節にのみ登場する金柑のため、常温保存で問題ありません。ただし、暑さには、決して強くないので、直射日光が当たらずに、暖房の入っていない涼しい場所で保管するようにしましょう。約10日を目安に食べきることをおすすめします。
冷蔵の場合
冷蔵庫で保存する場合は、野菜室がよいでしょう。ただし、そのまま直接、入れてしまうと乾燥してしまいます。そのため、保存袋やビニール袋などに入れて保存しましょう。その時に、5個ずつくらいをキッチンペーパーなどに包んであげると、より乾燥を防ぐことができますよ。冷えすぎてしまうと、食べる時に甘さを感じにくくなるため、食べる少し前に取り出しておいて、常温に戻してあげるのはおすすめです。
冷凍の場合
食感は変わってしまいますが、冷凍保存することも可能です。小さいので、丸ごと冷凍でも大丈夫ですが、種があるため、食べやすさを考えると半分にカットしてから、保存袋に入れて冷凍するとよいでしょう。半解凍状態にすると、生とはまた異なるシャリシャリのシャーベット食感を楽しむことができます。冷凍すると約1年は保存可能とはいわれていますが、冷凍やけや美味しさの面を考えると、1ヶ月を目安に食べきることをおすすめします。
金柑の抗酸化作用で免疫アップ
金柑は昔から咳や喉の痛みがある時に、お手当として活用されています。喉風邪の時に金柑の甘露煮をそのまま食べたり、蜂蜜漬けのエキスをお湯で割って飲んだりした経験がある人もいるのではないでしょうか。
金柑には抗酸化作用のあるヘスペリジン(ビタミンP)は、ビタミンCの吸収率を高めるサポートをしてくれるため、免疫力のアップで、感染症予防も期待できます。
金柑の黄金色の色素成分はβ-クリプトキサンチンです。β-クリプトキサンチンには強い抗酸化作用があり、ビタミンCと同様に免疫力の向上や感染症の予防に期待できます。果皮にこそ豊富な栄養が詰まっていますので、丸ごとスムージーにして旬の栄養や味を楽しんでください。
体が温まる金柑スムージーの作り方
材料1人分
- 金柑 6個
- 蜂蜜 小さじ1(お好みで調整してよい)
- 生姜粉末 少々
- お水 100mL
金柑スムージーの作り方
① 金柑は50℃くらいのお湯に、約3分漬け込む。(50℃洗い)
② キッチンペーパー等で、水気を切ってから輪切りにスライスする。この時に、種は取り除く。
③ スライスした金柑と蜂蜜、生姜粉末、水をブレンダーやミキサー等で攪拌する。
④ グラスに注いだらできあがり。舌触りがサラッとしたなめらかさが好きな人は、グラスに注ぐ時に茶こしを使用する。
酸味はそんなに強くなくてとっても美味しいです。渋さが少し口に残りますが、金柑と思えばこれぐらいあたりまえかな~っと思えるぐらいです。
金柑が6個も入っていますので、どろっとした感じになっています。
さらっとしたジュースが好みの方は、お水を多めに入れたり金柑を減らしたりして作ってみて下さい。
皮ごと食べられるのが金柑の一番の魅力です。ちょっと一手間になりますが、50℃のお湯に約3分漬け込む「50℃漬け」をすることで、より美味しく食べることができます。余裕がある時にはやってみるのはいかがでしょうか。
この記事の執筆者管理栄養士亀崎智子 (かめざき・さとこ)「食べ方」と「出し方」をお伝えするかめごはんの料理教室を主宰。昔ながら季節の手仕事や発酵食品、オーガニック食品などの取り入れ方が得意。マスターファスティ[…]