夏の暑い時期に欲する味のひとつが酸味です。夏になると酸味を求めて柑橘類を食べる機会が増えるという人も多いのではないでしょうか。
柑橘はいろいろな種類のものが存在していますが、そのまま丸ごと食べる以外にも手作り酵素にすることで、その栄養を丸ごと摂取することができます。
そこで、今回は柑橘類を使った手作り酵素をご紹介します。
柑橘類の種類
柑橘と一言でいってもその種類はたくさんあります。大きく分類すると、国産柑橘と輸入柑橘です。柑橘は、酸味のイメージが強いですが、品種によっては甘みの方が強いものもあります。そのため、いろいろな柑橘類を手に取ってみて、お好みの甘みと酸味のバランスの柑橘を見つけ出すのもいいかもしれません。
柑橘類はビタミンCの宝庫
子どもから年配の方まで幅広い世代の人に好まれて食べられる柑橘類は、ビタミンが豊富に含まれていることで有名な果物です。
ビタミンの中でも特にビタミンCが豊富に含まれています。ビタミンCは美容にも健康にも欠かすことができない栄養素でもあるので、積極的に摂り入れたい栄養素です。ビタミンCはトラブルを引き起こす引き金になる過剰な酸化を抑えてくれる抗酸化作用を持っています。また、美肌作りに必要なコラーゲンの生成や丈夫な骨作りにも欠かすことができません。
ビタミンC=酸っぱい(酸味の)イメージを持つ人が多いのではないでしょうか?確かに、ビタミンCであるアスコルビン酸も酸味は持っています。しかし、多くの人が柑橘を食べた時に感じる酸っぱさは、有機酸によるものなのです。
柑橘類の酸っぱさを生み出している有機酸のほとんどは、クエン酸であるといわれています。
柑橘類の選び方
柑橘類の多くは、皮が厚いこともあり皮を剥いて食べるものが多いです。そのため、他の果物に比べると、皮を剥くということで、農薬の使用に関してもあまり神経質にならなくても大丈夫です。ただし、無農薬や減農薬、オーガニックのものを選べるのであれば、そのようなものを選ぶ方がよいでしょう。
それ以外には、皮にしっかりとハリがあり、ズッシリと重みを感じることができるものを選ぶことをおすすめします。
また、いろいろな種類がある柑橘ですが、最近では、輸入柑橘も目にする機会が増えました。できれば、おすすめなのは国産柑橘です。
その理由は、ポストハーベスト農薬です。輸入柑橘の多くは、日本に運ばれてくる間に傷んでしまう危険性があるため、栽培中に多量の殺菌剤や防腐剤が使用されています。
代表的なものには、イマザリルやチアベンダゾール、オルトフェニルフェノール、ジフェニルなどがあります。こちらに関しては、商品札などに◎◎使用と記載されているので、確認してから選ぶことをおすすめします。
このポストハーベスト農薬に関しては、発がん性や催奇性などの危険性も言われているので、できれば避けたいところ。避けることができない場合には、最低限皮を剥いて食べるという対策をするとよいでしょう。
河内晩柑(かわちばんかん)はどんな果物?
初夏から夏にかけてスーパーや八百屋で目にすることが増える河内晩柑(かわちばんかん)って知ってますか?その見た目がグレープフルーツに似ていることから、「和製グレープフルーツ」と呼ばれることもある柑橘です。
しかし、グレープフルーツのような強い酸味はなく、さっぱりとした甘みが特徴であるので、幅広い年代の人が食べやすい味わいです。
河内晩柑もビタミンCを豊富に含む柑橘であり、さっぱりとしているため、暑い夏に水分補給として食べるのもおすすめですよ。
柑橘類の酵素を作るための準備
手作りの酵素を作るためには、しっかりとした準備が必要です。作る際のポイントや、あったら便利な器具をまとめましたので一読してから作ってくださいね!
柑橘類の手作り酵素のポイント
砂糖は、果物や野菜に混ぜて素材の水分と酵素を溶け出させます。また、酵母菌などの発酵菌の餌になり酵素を作り出します。安定した発酵状態を保つためには白砂糖がおすすめです。分量は野菜や果物の1.1倍です。
例)材料の重量が正味で500gならば、白砂糖が550gです。(1:1.1)
柑橘類の手作り酵素を作る時、あったら便利な器具
ガラスの容器(仕込み容器)
仕込み容器は中の様子が見れるガラスの容器がおすすめです(プラスチックやほうろうの容器でも使えます)。素材の3~4倍の大きさがおすすめ。
容器の大きさは、素材が500gだったら2~3リットル用。
水切りざる
野菜や果物などの材料を洗って水切りしたり、出来上がった酵素をこすのに便利です。
ガーゼ
出来上がった酵素の不純物を取り除くために便利。さらしや目の細かいネットなどでもOK。
柑橘類の手作り酵素の作り方
お待たせしました。さあ、それでは柑橘類を使った手作り酵素の作り方の紹介です!今回は通常よりも9割減の農薬で栽培された河内晩柑(かわちばんかん)を使用して手作り酵素を仕込んでみました。河内晩柑の代わりに他の柑橘を使用してももちろん大丈夫です。柑橘を複数ミックスしてもよいでしょう。
ただし、ポストハーベスト農薬が気になる輸入柑橘や農薬が気になる柑橘を使用する場合は、外皮は取り除いてから仕込むというのも1つの方法ですよ。もしくは、ご紹介する50℃洗いや農薬落としなどは必ずおこなうことをおすすめします。
材料2つ
- 河内晩柑 600g(お好みの柑橘類を使用で大丈夫)
- 砂糖 660g(お好みの糖で可能)
【作り方】
①河内晩柑(お好みの柑橘類でもOK)を2~3分、50℃のお湯に漬け込んで50℃洗いします。取り出したら冷水にとって冷やします。表面を少しこすり洗いする。(特に、無農薬でないものを皮のまま使用する場合、おこなうことをおすすめします。)できる場合だけで大丈夫です。
②河内晩柑は一口大の大きさにカットする。
③用意した砂糖の3分の1を瓶の底へ入れる。その上にカットした河内晩柑を半分入れる。その上に砂糖3分の1を入れて、残りの河内晩柑を入れる。最後に残りの砂糖を入れる。
④ 直射日光が当たらないところに置く。ふたは完全に密閉しない。半日程で下の方に砂糖が溶け出すので、このタイミングで底から素手で混ぜる。
⑤ 1週間ほど毎日混ぜます(1日に2回ぐらい)。素手もしくは木べらなどでしっかりと混ぜましょう。
⑥ざるで自然にこします。保存瓶に入れたらできあがり。
甘酸っぱい柑橘酵素を楽しもう
柑橘類はそのまま生で食べる場合には、皮を食べることは基本難しいです。しかし、皮の部分にもフィトケミカル(ファイトケミカル)などの栄養素も豊富に含まれています。柑橘の栄養を丸ごといただくという点でも手作り酵素を仕込むはひとつの手段です。
柑橘酵素も飲み物やドレッシング、ソースなどに活用して、美味しくいただいてみませんか?
この記事の監修者管理栄養士亀崎智子 (かめざき・さとこ)「食べ方」と「出し方」をお伝えするかめごはんの料理教室を主宰。昔ながら季節の手仕事や発酵食品、オーガニック食品などの取り入れ方が得意。マスターファスティ[…]
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この記事の執筆者
亀崎智子 (かめざき・さとこ)
「食べ方」と「出し方」をお伝えするかめごはんの料理教室を主宰。昔ながら季節の手仕事や発酵食品、オーガニック食品などの取り入れ方が得意。マスターファスティングコンシェルジュ
◎ 公式サイト kamegohan.com