この記事の監修者
亀崎智子 (かめざき・さとこ)
「食べ方」と「出し方」をお伝えするかめごはんの料理教室を主宰。昔ながら季節の手仕事や発酵食品、オーガニック食品などの取り入れ方が得意。マスターファスティングコンシェルジュ
◎ 公式サイト kamegohan.com
新型コロナでガラッと変わってしまった「飲み会」。個人的にはまた普通に行われる日がくるのを願っています。しかし、そうなっても飲みすぎにはやはり気をつけたいですね。
そこで、今回は「二日酔い対策」として梅干しを使った二日酔いに効果抜群の手作りドリンク「梅湯」をご紹介します。
二日酔いとは
二日酔いの定義や診断基準というものはありません。しかし、一般的には、以下のように言われています。
アルコール類を過剰摂取することにより、引き起こされる不快的な症状をまとめて二日酔いと呼んでいます。その中でも特に、飲んですぐにではなく、飲酒をした翌日に出てくる不快症状を二日酔いと呼ぶことが多いです。
二日酔いの症状も人によってさまざまですが、代表的なものには、頭痛や嘔吐、吐き気、喉の乾き、下痢、胸やけなどがあります。
二日酔いの原因とは
二日酔いに関しては、そのメカニズムはまだ解決できていない部分もたたあります。そのため、二日酔いを起こす原因も絶対これであるというものは実際ありません。
そこで二日酔いの要因となりうる代表的な3つのものをご紹介します。
アルコールをしっかりと処理しきれない
飲酒をした時に、体の中に入ってきたアルコール(エタノール)は、約20%が胃で、約80%が腸で吸収されます。
この吸収にかかる時間は30分から2時間と言われており、食べ物を一緒に食べている時に関しては、胃で消化が完了するまで、小腸に移動しないため、さらに、吸収までには時間がかかるそうです。
そして、肝臓にて、アセトアルデヒドに変化して、さらに、アセテート(酢酸)に分解されて、最終的には二酸化炭素と水になって、尿として排出されるのです。
この流れの中で、アセトアルデヒドの処理が上手くできずに、体内に蓄積してしまうことが、頭痛や吐き気などの不快な症状を引き起こし、これを二日酔いと呼んでいます。
このアセトアルデヒドの処理能力に差があるため、同じ飲酒量でも二日酔いになる人・ならない人がいるのです。
脱水症状を起こしてしまう
飲酒をすると利尿作用が促されることで、体の水分が失われてしまいます。飲み会の途中、何度もトイレに足を運ぶという経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか?
そのため、アルコールばかりを飲み続けてしまうと、脱水症状を引き起こしてしまう場合も実はあるのです。脱水症状と聞くと、水を補給すればよいと思われがちですが、実は水分を補給するだけでは、解消されない場合もあるのです。
実は、尿の中には、ナトリウムも含まれた状態で排泄してしまうので、ナトリウム不足にも陥りやすいです。そのため、水分だけでなく、一緒にナトリウムの補給もしてもらたいところです。
アルコールは、液体ではありますが、水分補給の水分には当てはまらないので、注意してくださいね。
胃の炎症が起きる
アルコールは胃酸の分泌を促進する働きがあります。そのため、アルコールの過剰摂取により、胃酸の過剰分泌が促されることで、胃のムカムカや胸やけを引き起こしてしまうリスクが増してしまうのです。
特に、空腹時には胃酸が過剰分泌されてしまうと、内臓にかかる負担が重くなってしまうので、二日酔いが長引きやすくなってしまいます。
二日酔いを防ぐためのお酒の飲み方とは
二日酔い予防としての対策には、いろいろなものが言われていますが、1番手軽に誰でもできるものが、「水を一緒に飲むことです。」
お酒1杯に対して、チェイサー1杯を用意して、お酒とお水を交互に飲むということをしてあげるだけでも、実はだいぶ二日酔いを予防することができるのです。
二日酔いに効く飲み物は?
二日酔いにならないように気をつけてはいても、ついつい、飲み過ぎて二日酔いになってしまったという経験をしたことがある人もきっと多いはずです。
飲みすぎた翌日の不快感や頭痛はとても辛いですね。アルコールを分解するために、体内で大量の水分が奪われます。そのため二日酔いには水分補給がとても重要です。
また、アルコールの分解に手を奪われてしまうことで、低血糖にも陥りやすくなってしまいます。そのため、消化に負担がかからないフルーツのジュースなどもよいでしょう。
お酒を飲むと悪酔いや二日酔いになるのは、肝臓のアルコール処理能力が弱いためです。
二日酔いを解消するには、副腎機能を高めるビタミンCやアルコール分解を助ける果糖などの糖分が効果的です。カリウムを多く含むフルーツや野菜のジュースで老廃物を体外に素早く排出しましょう。
柿が二日酔いに効くという話は有名ですが、それはビタミンCが豊富で体内の水分のバランスを保ったり、老廃物の排出を助けるはたらきがあるからです。
栄養豊富なニンジンで水分とともに失われたミネラルも補給するのもおすすめです。「酒は百薬の長」と言われ、適度な飲酒は血行を促進し、体にいいと言われています。
梅のパワー
梅には、肝臓の機能を高めるピクリン酸が含まれているので、二日酔いにいいのはもちろん、乗り物酔いにもいいです。
さらに、梅には有機酸とミネラルの他にカルシウムや鉄が多く含まれています。梅干の酸味はクエン酸を主とする有機酸で、食欲増進や消化を助ける働きも。
また、梅干しの酸には強力な殺菌力があります。胃腸のはたらきも助けますので、食中毒の予防にも効果的です。
唾液を分泌することでパロチン(唾液線ホルモン)を補給し骨や筋肉、血管組織も若返らせます。
梅干し選びは大事
梅湯に使用する梅干しは選び方が大事です。スーパーなどで、販売されている梅干しの中には、残念ながら、添加物や甘みをつけているもの少なくありません。
二日酔いの時は、内臓が疲れている時でもあります。そんな時に添加物などが使用されている梅干しを取り入れるのは逆に体に負担をかけてしまう場合もあります。
そのため、シンプルに塩漬けのみされて作られた梅干しを選んで、使用してあげるとよいでしょう。
梅干で二日酔い対策「梅湯」の作り方
梅干しは、二日酔い予防にも二日酔いになった時にも強い味方になってくれるアイテムのひとつです。
そんな梅干しを使用した二日酔いの時には飲んで欲しい梅湯のレシピをご紹介しますね。
材料
- 白湯 コップ1杯分
- 梅干し 1個
梅湯のレシピ
① コップに白湯と梅干しを入れる。
② 箸などで、梅を潰しながら混ぜたらできあがり。
梅干しを上手に活用して二日酔い予防・対策をしよう
二日酔いに効く梅湯のお話をしましたが、やはり二日酔いにならないことが一番です。
お酒の飲む機会が多い時期は、特に翌朝の後悔が待っていることを肝に命じてください。
この記事の執筆者管理栄養士亀崎智子 (かめざき・さとこ)「食べ方」と「出し方」をお伝えするかめごはんの料理教室を主宰。昔ながら季節の手仕事や発酵食品、オーガニック食品などの取り入れ方が得意。マスターファスティ[…]