亀崎智子 (かめざき・さとこ)
「食べ方」と「出し方」をお伝えするかめごはんの料理教室を主宰。昔ながら季節の手仕事や発酵食品、オーガニック食品などの取り入れ方が得意。マスターファスティングコンシェルジュ
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ゆずはジュースやお茶にして日常的に飲むことができる果物です。
特に冬はゆずが大活躍できる季節ですので、いっぱい買った時は、皮を冷凍して一年中使えるようにすると、いつでもゆずをお料理に使えて楽しめます。
ゆず茶とは
ゆず茶とは、ゆずを砂糖やはちみつに漬け込んでジャム状にしたものです。柚子を漬け込んだジャム状のゆず茶をお湯に溶かして飲むのが一般的な飲み方です。
はちみつの糖分とゆずの成分であるクエン酸は相性がとても良く、相乗効果で糖質を素早く吸収します。疲労回復や、美容、健康維持のためにはとっても良い組み合わせです。
ゆずの効果をご存じですか?
ゆずは、果皮と果肉(汁)に分けて使用されることが多いですが、丸ごといただくことができる柑橘類のひとつです。
そんなゆずには、
ゆずのビタミンCで美肌効果
ゆずに豊富に含まれているビタミンCは、老化の原因でもある酸化を抑えてくれるだけでなく、肌をなめらかにしてくれるコラーゲンを作るのをサポートしたり、しみやそばかすの原因となるメラニン色素が肌に沈着するのを防ぐ役割があります。
他にも、別名「若返りビタミン」と呼ばれている抗酸化力が強いビタミンE、皮膚の細胞を活性化するビタミンAに必要な量だけ変換されるβ-カロテン、コラーゲンの合成をサポートしてくれるヘスペリジンも豊富に含まれていることで、美肌効果が期待できるのです。
ゆずのビタミンCで免疫力アップ、風邪予防
「風邪をひいたらビタミンC」という言葉を耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか?
そのくらいビタミンCはウイルス性の病気から体を守ってくれる働きをしてくれるといわれています。また、予防だけでなく、かかってしまった時にもしっかりとビタミンCを摂り入れることで、短時間で回復するサポートもしてくれます。
加えて、ビタミンCの吸収力を高めてくれるヘスペリジンや鼻や喉、肺などの粘膜の材料となることで、体の中にウイルスが入ってくるのを防いでくれるビタミンAに変身できるβ-カロテンが豊富に含まれています。
そのため、風邪が流行る時期には、ぜひとも、おすすめな食材のひとつなのです。
ゆずの有機酸で疲労回復効果
ゆずは酸味の成分でもあるクエン酸やリンゴ酸などの有機酸を豊富に含んでいます。
これらには、疲労物質と呼ばれている乳酸をエネルギーに変えてくれる働きがあります。そのため、体の中に疲労物質が蓄積されることがなく、疲労回復効果が期待できるのです。
クエン酸は、カルシウムなどのミネラルの吸収を助ける作用があるため、カルシウムを含む食品と一緒に食べることでカルシウムの吸収がよくなり、骨や歯の強化、イライラの解消などにも(カルシウムの効果)おすすめです。
その他にも、ポリフェノールの一種であるフラボノイドや食物繊維の一種であるペクチンなどの天然成分もが豊富に含まれています。
フラボノイドは抗酸化力が高いので、ビタミンCなどと一緒に働くことで、サビにくい体を作るのに役に立ってくれます。また、ペクチンは善玉菌のエサになることで、腸内環境を整える働きがあるため、便秘改善も期待できるのです。
お風呂にはゆずを!ゆず風呂がおすすめのわけは?
「ソラレン」という物質をご存じですか?レモンの皮に含まれるソラレンは、紫外線を浴びると毒になる物質(光毒性物質)です。
同じ柑橘類であってもソラレンは、「ゆず」や「みかん」には、肌に問題がある量は含まれていませんので、「ゆず」のお風呂は安心して入れます。
ちなみに、ゆずには、カルシウムも豊富に含まれています。そして、ビタミンCにはストレスを和らげるホルモンや心を落ち着かせるための神経伝達物質の合成をサポートする働きがあります。加えて、リモネンと呼ばれる香り成分によりリラックス効果も大いに期待できるのです。
ゆず茶の作り方
市販のゆず茶には、ジャムタイプや粉末タイプ、ティーバッグタイプなどさまざまなタイプのものがあります。
しかし、中には添加物が使用されているものも少なくありません。
そこで、今回は生のゆずさえ手に入れば簡単に作ることができる自家製ゆず茶の作り方をご紹介します。
材料2つで
できる簡単自家製ゆず茶
- ゆず お好きな分だけ
- はちみつ(砂糖で代用も可)柚の皮と果汁と同量
※ 事前準備
ゆず茶を保存する容器を煮沸消毒して、しっかりと乾燥させておく。
ゆず茶の作り方
※今回は、ゆず2個ずつをはちみつと砂糖に分けて2種類作りました。
① 50℃のお湯の中に丸ごと入れて、皮をこすり洗いする。浮いてこないように重しをのせて、2~3分漬け込む。
取り出したら、冷水にとって冷まし、キッチンペーパーなどで水気をよく切る。
② ゆずを4等分にカットする。カット面の白いスジは取り除く。写真は1個分です。
③ 種を取り除いてから、果汁を絞る。
④ 絞った後の皮をできるだけ細く千切りして、果汁と混ぜ合わせておく。(ワタが気になる人は取り除いてください)
⑤ 上の④と同量のはちみつ(もしくは砂糖)を加えて、まんべんなく絡まるように混ぜ合わせる。
⑥ 用意した瓶に詰める。
⑦ 冷蔵庫で保存しながら、1日1回混ぜるもしくは瓶をふりながら、1~2週間寝かせる。
⑧ はちみつ(もしくは砂糖)が完全に溶けて、水分量が増え、ゆずの色や香りが全体に広がったら出来上がり。
⑨ カップに入れて、お湯を注いだら、ゆず茶を楽しめます。
補足
※ 必ず冷蔵庫で保存をして、開封したら1~2週間以内に食べきることをおすすめします。
※ 砂糖(糖分)には、保存性を高める効果もあります。多く感じるかもしれませんが、減らさないように注意しましょう。
※ はちみつを使用した場合には、混ぜ合わせたら直ぐに食べることはできます。しかし、冷蔵庫で1日以上寝かせた方がより美味しく食べることができます。
寒い冬はゆず茶を!
冬は気温が低くて乾燥します。皮膚だけでなく、喉や鼻の粘膜も乾燥しますね。うがい、手洗い、マスク使用などでお身体をお気遣いください。
そして冷えた身体にはあたたかいゆず茶はいかがでしょうか。温まりますよ。
寒い時期に黄色く色づき、本格的な冬を感じさせてくれる「ゆず」皆さんはどのように利用していますか。ゆずと言えばゆず茶などほっこり温まる飲み物や料理の香りづけなどがありますが、実は普段あまり食卓に上がらないことも。そんなゆずも「保存」す[…]