この記事の執筆者
亀崎智子 (かめざき・さとこ)
「食べ方」と「出し方」をお伝えするかめごはんの料理教室を主宰。昔ながら季節の手仕事や発酵食品、オーガニック食品などの取り入れ方が得意。マスターファスティングコンシェルジュ
◎ 公式サイト kamegohan.com
ここ数年注目を浴びている発酵食品。塩麹や醤油麹は有名なので、使ったことがあるという人も多いのではないだろうか?使ったことはなくても、その名前を耳にしたことがあるという人はきっと多いはずです。
塩麹と似ているのが「玉ねぎ麹」ですが、玉ねぎが入ることで旨みがアップするので、鶏ガラスープの素やコンソメの代わりにもなります。
そこで、今回は簡単に仕込むことができる玉ねぎ麹の仕込み方をご紹介します。
万能うま味調味料「玉ねぎ麹」とは
玉ねぎ麹はとてもシンプルな材料で作ることができます。材料はたった3つなのです。
- 米麴
- 玉ねぎ
- 塩
この3つの材料を混ぜ合わせて、発酵させるだけで、栄養価に旨みもアップさせる玉ねぎ麹ができるのです。
これ1つあれば、おうちごはんが化学調味料を使用することなく、ワンランク上のごはんを楽しむことができるのです。
和風メニューにも洋風メニューにもどちらでも相性が抜群であるので、ぜひとも一度味わってみてはどうでしょうか?
玉ねぎ麹で元気なカラダ作りができる
玉ねぎ麹はそれまでの調味料に置き換えるだけで、旨みがアップして美味しくなるのはもちろんですが、体にとって嬉しい働きがあるのです。
1.血液がサラサラになる
玉ねぎの香り・辛み成分であり、涙を促す成分でもある「硫化アリル」は空気に触れることで、刺激成分に変化するといわれています。この変化により、血管を広げて、強くする作用があるため、血液をサラサラにする効果が期待できるのです。
硫化アリルは、熱に弱いという弱点がありますが、玉ねぎ麹を加熱せずに仕込むことができるので、おすすめなのです。
2.腸内環境を整えてくれる
玉ねぎと麹には、腸内環境の善玉菌のエサとなるオリゴ糖が豊富に含まれています。そのため、善玉菌を増やすことで、腸内環境がよくなることが期待できます。
腸は免疫細胞の70%が棲みついているともいわれている免疫の要の臓器でもあるので、免疫力アップのためにも玉ねぎ麹はおすすめです。
3.代謝アップで太りにくい体質に
玉ねぎに含まれているポリフェノールの一種である「ケルセチン」は、血糖値の急上昇を抑えてくれたり、脂肪分解酵素を活性化したりの働きが期待できます。そのため、体の中に脂肪が蓄積しにくくしてくれることで、太りにくい体作りにおすすめなのです。
4.体をサポートしてくれる
麹には30種類以上の酵素が豊富に含まれています。これらの酵素がしっかりと働くことで、消化を促したり、脂肪や炭水化物の代謝を助けるビタミンB群を生み出したりすることで、元気な体作りのサポートをしてくれるのです。
玉ねぎ麹だけでなく、麹調味料はその酵素の働きにより、イライラを抑えたり、疲労回復を促したりも期待できるのです。
玉ねぎ麹を仕込んでみよう
材料
- 米麹 100g
- 塩 35g
- 玉ねぎ 1玉(目安として約300g)
玉ねぎ麹の作り方
① ボウルなどに米麹を入れて、固まりがある場合、手でこすり合わせてほぐしてあげる。
② ①に塩を加えて、手で揉むようにして、米麹と塩を混ぜ合わせます。
③ 玉ねぎは皮をむいて、根の部分を切り落として、すりおろし器やフードプロセッサー等ですりおろしておく。玉ねぎから出た水分も全て使用します。
④ 煮沸消毒をした清潔な保存容器に、②と③を入れて、全体的によくかき混ぜる。フタをして常温に置いたら、仕込みは完了です。
⑤ 毎日1回かき混ぜながら、7~10日間保管する。かき混ぜる時には、空気をしっかりと含ませるために、容器の底からしっかりとかき混ぜましょう。
⑥ 麹が柔らかくなり、甘い香りがしてきたら、発酵が完了して、できあがりです。
- 常温発酵させる場合、発酵を止めないために、密閉せずに少しずらしておきましょう。
- 塩は腐敗を防いでくれる働きもあります。失敗しないためにも、塩の分量はしっかりと守りましょう。ミネラルが豊富に含まれている自然塩(天日塩)を使用すれば、減塩を神経質に気にする必要はないですよ。
- 玉ねぎは粗みじんにして仕込んでも大丈夫です。滑らかなすりおろしとはまた異なる食感を楽しめます。粗みじんと滑らかなすりおろしをミックスしてもよいでしょう。
- 完成後に麹の粒々が気になる場合、フードプロッセッサーやブレンダーなどで滑らかなペースト状にして使用してもよいですよ。
玉ねぎ麹の保管の方法とは
仕込み中には発酵を促すために、常温保管をする玉ねぎ麹ですが、完成した後には、冷蔵保管します。1ヶ月を目安に使い切ってあげるとよいでしょう。
玉ねぎ麹は活用方法が無限大
玉ねぎ麹の活用方法が本当にさまざまです。
シンプルに納豆のタレやスープ、卵焼き、オムレツなどの調味料として使用することもできます。
また、お肉やお魚と一緒に保存用袋に入れて漬け込んであげるのもおすすめです。玉ねぎ麹の量としては、お肉やお魚の重量の10%を目安に使用するとよいでしょう。約1日漬け込むことで、お肉やお魚の肉質が柔らかくなります。
麹は加熱すると焦げやすいというデメリットがあるので、加熱する時には、低温で加熱するのがおすすめです。
どうやって使用してよいか分からないそんな場合には、まずは、今まで塩や醤油、味噌などで味付けしたところを玉ねぎ麹に置き換えてみるとよいでしょう。
玉ねぎ麹で料理上手に変身しませんか?
手軽に作ることができる玉ねぎ麹は、どんな料理も美味しく変身させることができる魔法の調味料のひとつです。
料理が苦手と思っている方にこそ、まず一度作ってもらいたい。そんな発調味料のひとつでもあるので、ぜひ一度作ってみて、玉ねぎ麹の世界を楽しんでみてはどうでしょうか。
この記事の執筆者管理栄養士亀崎智子 (かめざき・さとこ)「食べ方」と「出し方」をお伝えするかめごはんの料理教室を主宰。昔ながら季節の手仕事や発酵食品、オーガニック食品などの取り入れ方が得意。マスターファスティ[…]