この記事の執筆者
亀崎智子 (かめざき・さとこ)
「食べ方」と「出し方」をお伝えするかめごはんの料理教室を主宰。昔ながら季節の手仕事や発酵食品、オーガニック食品などの取り入れ方が得意。マスターファスティングコンシェルジュ
◎ 公式サイト kamegohan.com
最近「腸活」というワードを耳にすることが増えたのではないでしょうか?しかし、腸活と聞いても、「一体、何をしたらよいのかいまいち分からない」という人もきっと多いかもしれません。
そんな腸活のために取り組んでもらいたいことのひとつが、調味料選びです。
そこで、今回はまずは揃えてもらいたい基本調味料を紹介させていただきます。
腸活って何をする?
「腸活」は腸内環境を整えることです。腸内環境を整えることで、毎日元気に過ごすことができるようになるので、ぜひ、挑戦してみるのもよいのではないでしょうか。
腸は免疫には欠かせない臓器
腸が食べ物を消化して必要な栄養を吸収したり、不要なものを排出したりする働きがあるのを知っているという人は多いのではないでしょうか。もちろん、これも腸が行ってくれる大事なお仕事のひとつです。
それ以外にも、腸は私たちの体にとって欠かすことができないお仕事をしてくれるのです。それは、大きく分けて2種類あります。
免疫力の要の腸
実は全免疫細胞の約70%は腸にあると言われています。免疫細胞は、体の中に入ってきたウイルスや細菌と戦ってくれます。つまり、私たちの免疫力は、腸内環境の状態によって左右されてしまう可能性が高いのです。
心の状態も腸によって変わる
腸ではそれ以外にも、神経伝達物質と呼ばれるものが作られます。神経伝達物質とは、私たちが幸せを感じる時に分泌されるドーパミンややる気に満ちてる時に分泌されるアドレナリン、楽しい時に分泌されるセロトニンなどです。
つまり、腸内環境が悪く正常に神経伝達物質が作られないと精神的に落ち込んでしまうなんてことが起こってしまう可能性もゼロではありません。
「腸内環境が良い」とは、どんな状態?
腸内環境の状態を知る目安となるのが、便の状態です。便の状態をチェックすることで、腸内環境の状態を把握することができるのです。
毎日、スッキリと排便できてますか?もしくは、毎日ではなくても、排便がある時には、しっかりと排出された感じはあるでしょうか?
3日以上でないとか、出てもしっかりと出きった感がないという場合が続く時には、腸内環境が悪くなってしまっている可能性があります。
腸内環境がよい時の便の目安
腸内環境が整っている時の理想の便は以下のようにいわれています。
- バナナ1~3本分くらい
- するっとスムーズに出てくる。(強くいきむ必要はない)
- 便の色は黄色もしくは黄褐色
- 臭くない
- 水にうく
腸内環境を整えるためには、入れるものを見直す
現代人は、外食やコンビニ等の加工食品を利用することが多いです。そのため、食品添加物や化学調味料等もたくさん体の中に入ってくることで、腸が疲弊してしまってる人が多いのです。疲弊してしまうと、通常の仕事の効率は低下してしまい、腸内環境が悪化してしまうのです。また、今使用している調味料。どんなもので作られているか知っていますか?
「毎日、自炊してます。」
自炊は腸活をする上でも、ぜひ、やってもらいたいことのひとつです。しかし、調味料も選び方を間違ってしまうと、実は添加物がいっぱい使用されていたなんてことが残念ながら起こりやすいのです。
そして、体に感じていた不調の原因が実はその調味料だったなんてこともゼロではないのです。
基本調味料「さしすせそ」を揃えよう
食を見直す時にまずおすすめなのが、調味料です。
食材のように毎日購入するものではないし、数ヶ月のスパンで購入すればよいので、質のよいものに変えても家計にかかる負担も小さくてすみます。
体に入ってくる調味料がシンプルで質のよいものに変わるだけでも、きっと腸内環境が変わること間違いなしなので、ぜひ参考にして下さいね。
まずは揃えたい5大基本調味料は下記です。
- さ:砂糖(みりんも含む)
- し:塩
- す:酢
- せ:醤油
- そ:味噌
これらの調味料を選ぶ上で、気をつけてもらいたいポイントは、2つです。
ポイント①シンプルな原材料
調味料の「さしすせそ」は昔からどこの家庭にも必ず常備されているといってもよいものではないでしょうか?これらの調味料を購入する時に、「何で作られているのか」を確認したことありますか?
価格だけで判断することはできませんが、残念ながら、安いものも食品添加物や化学調味料等が使用されているものも多いです。
しかし、シンプルな原材料でのみ作られているものもあるので、ぜひそれを選んでいただきたいです。
- 本みりん:もち米、米麹、焼酎
- 塩:海水のみ もしくは、岩塩のみ
- 酢:穀物酢なら穀類のみ、果実酢なら果実のみ
- 醤油:丸大豆(国産)、小麦、塩
- 味噌:大豆(国産)、麹、塩
シンプルな原材料で作られたものは美味しいです。そのため、少量でも料理の味付けが決まるので、料理が苦手という方こそ、調味料はシンプルな原材料で作られたものを手にとってもらいたいのです。
ポイント②昔ながらの製法で作られたもの
基本調味料「さしすせそ」のほとんどは、発酵食品でもあります。そのため、しっかりと時間をかけて、丁寧に発酵させて作られたものがやはり美味しいです。
しかし、安く販売されているものの中には、残念ながら、発酵の時間をショートカットするために、食品添加物や化学調味料等が使用されているものも少なくありません。食品添加物等は腸とはじめとする体の内臓に負担をかけてしまう1つの原因にもなってしまいます。
そのため、できるだけ、昔ながらの製法で丁寧に作られたものを手にとるのをおすすめしています。
- 砂糖:精製されすぎてないものを選ぼう
- みりん:本みりんを選ぼう
- 塩:天日干し、平釜のものを選ぼう
- 酢:静置発酵法(静置法)のものを選ぼう
- 醤油:国産丸大豆を使用して、本醸造のものを選ぼう
- 味噌:国産大豆を使用して、天然醸造のものを選ぼう。(冷蔵保存で販売されているもの)
こだわって製造されたものは最初は少し高く感じてしまうかもしれません。しかし、腸活をするのであれば、ぜひとも揃えてもらいたいものです。
快腸を目指してまずは調味料の入れ替えで腸活しよう
シンプルで昔ながらの製法で作られた調味料に変えることで、味覚が変わるのはもちろん、腸内環境もすぐには難しいかもしれませんが、継続することで変わるでしょう。
最初はハードルが高く感じてしまうかもしれませんが、ホンモノの調味料「さしすせそ」を使い始めると、きっと、今までのものには戻れなくなるはずです。
体の中に入れるものを見直すことで、毎日活き活き楽しめる体を手にしてみませんか。
この記事の執筆者管理栄養士亀崎智子 (かめざき・さとこ)「食べ方」と「出し方」をお伝えするかめごはんの料理教室を主宰。昔ながら季節の手仕事や発酵食品、オーガニック食品などの取り入れ方が得意。マスターファスティ[…]