人間が使えるエネルギーは、食べたものを消化して吸収できた量に比例します。そこから必要に応じて体内で酵素がつくられ、あらゆる化学反応を起こしながら生命を維持しています。
食べ物が口に入ってきたら、脳に信号が届いて、胃やすい臓から「消化酵素」が分泌されますが、体内で作られた酵素は「消化酵素」として優先的に使われるのです。「消化酵素」としての働きが優先される理由は「生命を維持するため」に最も大切だからです。
今回は、体内の消化酵素や代謝酵素の働きや酵素不足の解決方法についてご紹介します。
体内酵素の働き
私たちが使えるエネルギーの60~70%は消化に使われています。食後に眠たくなる理由は「消化酵素が多く必要だから代謝酵素を出すのは後回しに」、「消化に必要なんだから、他の活動はお休みしてて」というような、身体からのメッセージがあるからです。
「消化酵素」食べ物が消化にかかる時間
消化に時間のかかる食べ物ほど、たくさんの消化酵素が必要になってきます。
・野菜:1~3時間程
・炭水化物:3時間以上
・タンパク質:4時間以上
※たんぱく質や炭水化物を同時に摂れば、24時間以上かかってしまうこともあるそうです。(胃もたれの状態ですね)
こってりした食事や、肉料理などの消化に時間がかかるものばかりを食べていると、体内の酵素が消化酵素としてどんどん消費されてしまいます。
前の食事の消化が終わらないうちに次の食べ物が入ってきたら、消化器官である内蔵も体内の消化酵素も休む時間がありませんね。
このような食生活では、消化にばかりエネルギー(消化酵素)を使い、肝心な内蔵の修復や代謝といった「代謝酵素」としての働きがうまく発揮できません。
代謝酵素の役割
「代謝酵素」とは、体中の各器官に存在しています。呼吸、心拍、体温調節、ホルモン調節、免疫機能、記憶や筋肉の動作など、あらゆる生命活動を支えているのが「代謝酵素」です。
「代謝酵素」がなければどんな栄養を摂ってもエネルギーとして活用できません。つまり生命を維持することが困難になります。
体内酵素は5,000種類以上とも言われています
なぜこんなに多いのでしょうか?
それは、酵素の働きは一種類ごとに決まっているからです。つまり、一つの酵素は一つの働きしかできません。
例えば、炭水化物を分解するアミラーゼという消化酵素は脂肪を分解することができませんし、代謝酵素としてはたらくこともできません。そんな5,000種類以上の酵素が役割分担をして、今、私たちの身体を支えてくれているのです。
健康な身体であれば、必要に応じて体内で酵素が作られます。身体が酵素をつくるためにはたくさんのビタミンやミネラルが必要になります。日頃、限界以上のオーバーワークで酷使したり栄養バランスの悪い食事をすれば、当然酵素不足が起きてしまいます。
酵素不足の症状とは?
体内の酵素が足りないということは、食べ物の「消化」「吸収」「代謝」がうまくいかなくなるということなんです!身体に良いと言われているものを食べていても、消化されずに、必要な栄養が吸収されないことで、エネルギーとして活用することができません。
- 疲れやすい
- 体調を崩しやすい
- やる気がおきない
- すぐに太ってしまう
このような症状がある方は、酵素不足に陥っている可能性があるかもしれません。
体内酵素を消化酵素として使い過ぎない!食物酵素で消化をサポート!
体内の酵素を消化酵素ばかりに使っているということはありませんか?
酵素不足の解消には、「体内リズムを整えること」と、「食事で食物酵素を積極的に取り入れること」です!
食物酵素(食事等で取り入れる酵素)で消化をサポートして、代謝酵素がきちんとはたらくような生活習慣になれば、身体全体の機能が正常に動き出します。1日だけではだめですよ。習慣になるように頑張ってください!
通常であれば、1日ケーキを食べたからといって太りません。過剰な栄養も食品添加物や農薬のような有害物質も老廃物となって排出されます。
しかし・・・
「代謝酵素」の働きが落ちていれば、老廃物の排出ができずに色々なものを身体に溜め込んでしまうのです。「代謝酵素」の働きが鈍くならないようにするためには、しっかりと酵素を取り入れ、体内の酵素を消化酵素として使い過ぎないということです!
酵素は、生ものに多く入っています。生のお野菜、果物、お肉、お魚、発酵食品などです。
酵素が多く含まれている食品
- 果物:パパイヤ・アボカド・キウイ・いちじく・パイナップル・バナナ・マンゴーなど
- 野菜:レタス・キャベツ・にんじん・だいこん・セロリなど
- 発酵食品:納豆・漬物・みそ・しょうゆ・ぬか漬けなど
このように酵素を多く含む食事を毎日しっかりと摂ることで、身体の消化がスムーズに、そして代謝も随時行えるような元気な身体になります。食事や睡眠などの生活習慣の見直しは必須ですよ!