この記事の執筆者
亀崎智子 (かめざき・さとこ)
「食べ方」と「出し方」をお伝えするかめごはんの料理教室を主宰。昔ながら季節の手仕事や発酵食品、オーガニック食品などの取り入れ方が得意。マスターファスティングコンシェルジュ
◎ 公式サイト kamegohan.com
「 腸活 」というフレーズをここ数年でよく耳にすることが増えたという人も多いのではないのでしょうか?
「腸活が大事らしい」それはなんとなく分かるけど、実際にどんなことをしたら良いのかはいまいち分からないという人もきっと多いはずでしょう。
そこで今回は、腸活をするために何から取組めばよいのかを具体的にご紹介します。
免疫の要の腸
腸というとどんなイメージがわくでしょうか?
腸は食べ物を消化して、必要な栄養素を吸収する。そこで出た体にとって不要なものを便として体の外に排出する。そんなお仕事を担っています。もちろん、これもとても大事なお仕事ではあります。
しかし、腸はこれと同じくらい大事な役割を担っていることを知っていましたか?実は腸には、免疫細胞の約70%が存在しているほど、免疫には欠かすことができない臓器なのです。
そのため、腸内環境がよいと体にもよい影響を与えてくれます。一方で、腸内環境が悪いと体に悪影響を与えてしまうともいわれています。
また、腸は別名「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンの95%を作り、他の神経伝達物質も作るということで、私たちのメンタルにも関与するのです。そのため、第二の脳とも呼ばれるほど重要な役割を担っているのです。
腸活をすると何がよいの?
毎日元気に過ごすために必要不可欠である腸内環境を整えてあげることを腸活と呼びます。
腸は私たちの元気な体と心を作るために欠かすことができない仕事をたくさん担っているのです。整えて元気な腸を作ってあげることが体と心の健康に繋がるといえます。
腸内環境を整えてあげるためには、腸内細菌の黄金バランスを目指すことがポイントです。
理想のバランスは善玉菌 : 悪玉菌 : 日和見菌 = 2 : 1 : 7といわれています。
現代人は外食や加工食品に頼ってしまう頻度が高い人も多く、悪玉菌優位の腸内環境になりやすい傾向が強いです。
そのため、黄金バランスを目指す腸活を取り入れることがとても大事です。
ただ、腸内環境が整っているかどうかの判断をどうしたらよいのか分からないという人もきっと多いでしょう。
1つの目安として、便をチェックすることはおすすめです。便の状態をチェックすることで、腸の状態を確認することができます。便秘の人は腸に要らないものが蓄積されてしまっている状態です。
まずは、しっかりと便が出るような体作りをする必要があります。
理想な便はどんな便?
- やわらかいバナナ状の便が1~2本
- トイレの水に浮く
- 黄色~黄褐色
- 便の臭いはするが、悪臭ではない
- 力まずにスルッと出る
さらに、理想は毎日決まった時間に出ることですが、時間に関してはあまり神経質になる必要はないでしょう。また、毎日、便が出ていても、力まないと出なかったり、排便後にスルッと出きった爽快感、すべてを出し切った感がない場合には腸内環境を整えてあげる必要がありますね。
目安になるので、今まで便を観察する習慣がなかったという方は、まずは、観察する習慣から身につけていきましょう。
腸活の3本柱
腸活を行っていくことで3本柱といわれているのが、「食事」「運動」「睡眠」です。どれか1つを極端にするのではなく、バランスよく整えていくことが必要です。
難しいかもしれませんが、それぞれをバランスよく行っていくことから始めてみませんか?
1. 食事
腸内環境を整えるためには、食は切っても切れません。腸内細菌を黄金バランスにもっていくために、どちらにでもなりうる中間ポジションの日和見(ひよみり)菌を味方につけて、善玉菌優位な腸内環境にしてあげることがおすすめです。
そのために、意識して取り入れてもらいたいものが、「発酵食品」と「食物繊維」です。
2. 運動
運動をして筋肉をしっかりと動かしてあげることで、血行がよくなります。体に必要な酸素や栄養素は血液によって体のすみずみにまで運ばれます。そのため、胃や腸、脳などにもしかりと運ばれることで、本来の働きができるようになるのです。
運動と聞くとアスリートのように激しい運動をしなくてはいけない?と思われがちですが、決してそうではありません。日常生活の中に手軽に取り込むことができる軽いエクササイズでも十分効果がありますよ。
足と腕をしっかりと動かしたウォーキングや料理や歯磨きをしながらのスクワットやかかと上げなどをまずは取り入れてみませんか?ウォーキングも1駅目でバスや電車を降りて、1駅分歩いたり、エレベーターやエスカレーターではなく、階段を使うを意識するだけでもきっと変化を感じることができますよ。
3. 睡眠
腸は第二の脳と呼ばれるほど、脳とは深く繋がっている臓器です。自律神経の乱れは、腸内環境にも悪影響を与えて、体の不調を引き起こしてしまうことも。
そのため、質のよい睡眠をとることで、自律神経を整えることは、腸内環境をよくすることにも繋がるのです。
睡眠時間を確保することも大事ですが、例え時間を確保できなくてもしっかりと副交感神経を優位にしてリラックスして休むことが必要です。まずはできることから取り入れてみませんか?
- スマホ・PCを触るのは睡眠2時間前まで
- 寝る前にアルコールを飲まない
- 寝る2~3時間前の入浴
- 起床後はしっかりと日光を浴びる、夕方以降は照明控えめにする
- 寝室は真っ暗に
腸活に欠かせない発酵食品
腸活の食事で外すことができないのが発酵食品です。毎日の生活の中で発酵食品を取り入れてますか?意外と発酵食品を取り入れられてないという人も多いはず。
発酵食品と聞いて何を思い浮かべますか?
納豆、味噌、キムチ、ヨーグルト、ぬか漬け
このあたりを思い浮かべる人は多いかもしれません。
発酵食品は乳酸菌や酵母菌、麹菌、ビフィズス菌などさまざまな善玉菌を含んでいます。そのため、腸内環境を整えるにはもってこいなのです。
他にも発酵食品は身近にあります。和食に使用する調味料の醤油や酢も発酵食品。その他に最近流行りの甘酒(ノンアルコール)や甘麹、塩麹、醤油麹、トマト麹などさまざまな発酵食品が実は身の回りには存在しています。
発酵食品は栄養価が高いだけでなく、旨みもアップしているので、ごはんを美味しくしてくれます。今まで、手にとったことがないとハードル高く感じてしまうかもしれませんが、まずは毎日、本物の発酵食品を取り入れることから始めてみませんか?
本物の発酵食品の選び方
発酵食品は腸活のためにも毎日の食事に取り入れていただきたいものですが、残念ながら市販のものの中には、本物でないものも存在しています。
せっかく、腸活のために発酵食品を手にとるのであれば、本物の調味料を手にとりましょう。
本物の発酵食品を選ぶポイント
裏の原材料表示を確認して、できるだけ食品添加物や化学調味料が使用されずに作られているものを選びましょう。
スラッシュ(/)の後ろは食品添加物なので参考にするとよいでしょう。
・ちゃんと発酵されているものを選ぼう
本物の発酵食品には、昔ながらの製法で作られたことやちゃんと発酵をさせている旨がパッケージに記載されていることが多いです。少し手間に感じてしまう人もいるかもしれませんが、確認して選ぶことが腸活にも繋がります。
・手作りできるものは手作りしてみよう
甘酒(ノンアルコール)や甘麹、塩麹、醤油麹などの麹調味料は意外と簡単に作ることができます。手作りすることはコスパにも繋がるし、お好みの味に調整することができるので、機会があれば、チャレンジするのもよいでしょう。
要らないものを取り入れないのも大事
腸活とあると、何を取り入れるのかということに注目されがちですが、不要なものはできるだけ取り入れないということも実は同じくらい大事です。
腸内環境を悪くするといわれている食品添加物や化学調味料がたっぷりと使用された加工食品や白砂糖、市販のパン、脂身の多いお肉の食べ過ぎなどは、できれば避けたいところです。
購入した揚げ物は酸化した油を使用されていることがほとんどです。新鮮な油を使用していたとしても、食べるころには酸化してしまってます。
全部排除する必要はないですが、意識して少しづつ取り入れる量を減らすだけでも、腸にかかる負担はだいぶ軽くなり、腸内環境を整えることに繋がりますよ。
発酵食品を上手に取り入れて元気な腸をゲットしよう
腸を元気にすることは毎日元気に過ごすことができることに繋がります。腸活におすすめなことはたくさんありますが、神経質に全部取り入れようとすると逆にストレスになってしまうこともあります。
まずはできることからで大丈夫なです。日々の食事に意識して発酵食品を取り入れてみてはどうでしょうか?
この記事の執筆者管理栄養士亀崎智子 (かめざき・さとこ)「食べ方」と「出し方」をお伝えするかめごはんの料理教室を主宰。昔ながら季節の手仕事や発酵食品、オーガニック食品などの取り入れ方が得意。マスターファスティ[…]