この記事の執筆者
亀崎智子 (かめざき・さとこ)
「食べ方」と「出し方」をお伝えするかめごはんの料理教室を主宰。昔ながら季節の手仕事や発酵食品、オーガニック食品などの取り入れ方が得意。マスターファスティングコンシェルジュ ◎ 公式サイト kamegohan.com
糖=悪
こんなイメージをもつ人は意外と多いかもしれません。
これは合ってもいるし、間違ってもいます。糖を摂り過ぎると、虫歯や肥満などの原因になりそうでどうしても糖は悪者にされがちです。しかし、実は体にとっては欠かすことができないのが糖なのです。元気な体作りのためには、しっかりと良質な糖を選択することがとても重要です。そこで、今回は体にとって必要な糖の選び方をご紹介します。
糖って何?
「糖ってなに?」「糖を説明してください。」
そう聞かれると、「糖は甘くてカロリーが高くて…」と、これくらいで言葉に詰まってしまう人が多いかもしれません。糖は三大栄養素のひとつである炭水化物の一種です。
炭水化物=糖質+食物繊維
炭水化物はエネルギーとして利用される糖質と利用されない食物繊維に分類されます。特に、女性は
糖質制限=ダイエット=痩せる
というイメージを持つことで、意識して糖質を制限してしまうという人が多いかもしれませんが、正直あまりおすすめできません。エネルギーが不足してしまうと、体は自らエネルギーを生み出すために、体の一部を利用します。そうすると、体の修復まで手が回らなくなってしまうのです。そのため、糖の質も重要ですがしっかりと量を摂取することも重要です。ちなみに、1番体に負担をかけることなくエネルギーを作り出せる栄養素が糖なのです。
避けたいのは「精製された糖」
糖と一言でいってもその種類はさまざまです。
糖=悪
となるのは、精製された糖のことを指します。精製された糖は、ミネラルなどの栄養素が含まれていないだけでなく、体の中に入ってきて代謝をする時に大量にビタミンやミネラルなどを消費してしまうのです。
精製された糖、いわゆる白砂糖は急激な血糖値の上昇を引き起こしてしまいます。そのため、心身に悪影響を与えがちで、人によってはイライラしたり興奮したりしてしまうということもあります。また、中毒性もあるのであまりおすすめできません。
糖質オフ、糖質ゼロには要注意!
ここ数年で、糖質オフ・糖質ゼロ・ロカボのフレーズがついている商品を目にする機会が増えたと思いませんか?確かにこれらの商品は糖質を制限している人にとっては、魅力的に感じてしまうかもしれません。そのためつい手を伸ばしてしまうという人も多いでしょう。しかし、これらの商品はちょっと注意が必要です。しっかりと中身を知った上で、本当に必要かどうかを判断することが必要なのです。
「糖質をオフ、ゼロにするために何を使用してるのか?」
これをちょっと考えてみてもらいたいなと思うのです。確かに、糖質の使用量は少ないですが、代わりに、ブドウ糖果糖液糖を代表とする異性化糖やアスパルテームやパルスイートなどの人工甘味料が使用されている場合があります。異性化糖はその原材料に遺伝子組換えのトウモロコシを使う可能性が高いので、避けたいもののひとつです。また、人工甘味料は、発ガン性が疑われるものや依存性が高いこともあるので、これもまた避けたいものです。
正しい糖の選び方 しっかりと取り入れたい糖とは?
糖は体にとって欠かすことができない栄養素ですので、その質をしっかりと見極めた上で、選択してあげることが大切です。ポイントは糖質はもちろん他の栄養素もしっかりと含んでいる糖を選択することです。
精製され過ぎていない糖
黒糖や純粋なはちみつなど、ビタミンやミネラルも豊富に含まれているものを選択するのがよいでしょう。おやつとしてスナック菓子を食べるのであれば、黒糖やはちみつを食べるというのもおすすめですよ。ただし、選び方には注意が必要です。
黒糖であれば、原材料がさとうきびだけの純黒糖を選びましょう。加工黒糖はいろいろなものが混合されているので、できれば避けたいところです。はちみつも添加物などの混ぜ物などがされているものもあります。そのため、混ぜ物がされていないことはもちろん、養蜂場や養蜂家がはっきりと分かっており、安心できるところのものを選ぶのがよいでしょう。
他にも、お菓子ではなく果物を選ぶというのもおすすめです。果物も生やドライフルーツなどの選択肢があります。ドライフルーツを選ぶ場合には、他の甘みや添加物、オイルなどを添加していない果物を乾燥させただけのものがよいでしょう。
色がついている糖(茶色い炭水化物)
うどんよりもお蕎麦
白いパンよりも茶色のパン
白米よりも玄米
白いものよりも茶色の方が、ビタミンやミネラルが豊富に含まれていると言われています。また、血糖値の急上昇を抑えて緩やかにしてくれるので、体にも負担がかかりにくいです。炭水化物は茶色のものを選びましょう。ただし、ビタミンやミネラルが豊富に含まれる部分は農薬などが蓄積しやすい部分でもあります。そのため、できるだけ農薬の使用量が少ないものを選ぶというのも知っておくとよいでしょう。
糖を味方につけて元気な体をゲットしよう
糖は体にとって欠かすことができない栄養素のひとつです。そのため、極端に制限することはおすすめできません。
制限をするのではなく、質のよいものを選択できる目をもつことがとても大事です。
「糖質制限」ではなく、「糖質選択」
良質な糖を取り入れて、元気な体作りをめざしましょう!