胸焼けが主な症状で、重度の場合、食道がんのリスクも出てくる「逆流性食道炎」。今増加している胃の病気です。
ちょっとした知識をもっていたら、胃もたれの予防、胃がんの予防になります。知っている事こそ「自己管理の第一歩」になります!
『胃の常識&非常識』問題!胃痛や胃もたれで口が臭くなる?
まずは、胃の常識と非常識についてご紹介します。
1)バター 2)ジャム 3)マーガリン
動物性油脂のバターは、脂と水が分散し乳化した状態になっているため、消化にそんなに時間がかかりません。植物性油脂のマーガリンや植物性食品のジャムは、消化に時間がかかり、その分胃も働き続けることになります。
通常、胃の入口は閉じているのため、胃痛や胃もたれが元で口は臭くなりません。口臭は歯槽膿漏や肝臓の病気が主な原因です。
1)辛いもの 2)熱いもの 3)アルコール
胃酸が多く分泌され、胃粘膜に炎症がおこります。暴飲暴食でも胃粘膜に傷をつけたりします。胃痛の原因で多いのは普段の食生活の乱れです。特にお酒ですね。空腹時のお酒の飲みすぎにはお気を付け下さい!
胃にずっと食べ物が残ってるような胃もたれ。朝起きて食欲がない状態など、胃の動きが少なく、食後にひどい胃もたれは、胃酸の濃度が低く消化機能が低下し起こっています。また「胆汁の逆流」でも消化機能が低下し、起こることがあります。胆汁(アルカリ性)と胃酸(酸性)が混ざると、濃度が下がり消化機能を妨げます。
※胆汁の逆流は、胃の位置が十二指腸よりも下がった「胃下垂」の人に多く見られます。気になる方は、腹筋をするなど、お腹周りの筋肉をつけることで予防できます。
1)にんじん 2)大根 3)ごぼう
βカロテンは発がん性物質を抑える働きがあります。緑黄色野菜を積極的に食べましょう。煮物は消化にも良いのでおすすめです。
逆流性食道炎とは?
● どんな病気?
逆流性食道炎は、胃と食道の間の噴門(ふんもん)が緩み、胃液が逆流、食道の炎症を引き起こす病気。放置すれば食道がんになってしまう恐れもあります。肥満体型の人は脂肪で常に胃が圧迫されている状態ですので、少し身体をかがめるだけでも、胃液が逆流してしまうこともあります。また食後のごろ寝も要注意です。
● 逆流性食道炎の症状は?
胸焼けが主な症状です。軽い方が多いそうですが、重度になると出血、食道が狭くなったり食道がんのリスクもあります。
● 原因は?
暴飲暴食、肥満が外的な大きな要因だそうです。また、年齢と共に筋力の低下による噴門の緩みから逆流性食道炎になることも。
●逆流性食道炎の治療方法は?
ほとんどの方は胃酸を抑える薬を服用することで良くなります。
薬の服用でも良くならない?!
ほとんどの方が「胃酸を抑える」薬で改善されますが、薬で治らない方もいます。そのような方には隠れた原因があります。
実は、薬で治らない方の半数は「慢性的な便秘」だからです。胃や腸の内蔵の部分は、上は横隔膜、下は胃壁底筋、そして周りは腹筋によって一定の圧力で密封され保たれています。便秘になっていると、腹圧が上昇し、胃が圧迫されて胃酸の逆流が起こりやすいのです。
逆流性食道炎を引き起こす、やってはいけない生活習慣
① 食べた後すぐに横になる
食べた後すぐに横になれば、噴門の逆流を起こしやすいです。胃の中にたまった食物が逆流しやすくなります。1~2時間たって横になる場合、身体の左側を下にして横になること。胃の形から左側を下にして横になると胃酸をためるスペースができ、逆流しにくくなります。(右側が下はダメです)
② 食べ過ぎ
食べすぎは、胃の内圧の上昇につながります。
③ 肥満
内蔵脂肪の多い方は、臓器の周りに脂肪がつくことで胃へ圧力がかかり逆流性を起こしやすいです。
胃の不調を予防するために
皆さんご存知だと思いますが、胃の健康はやはり生活習慣にあります。
- 暴飲暴食を避ける
- 脂っこいものは避ける
- よく噛んで食べる
日頃の生活習慣、毎日の積み重ねで身体は作られていきます。年齢と共に筋力低下からの症状は誰しも起きてくるものです。しかし近年、食生活の乱れから、お悩みは高齢の方だけではなくなってきています。意外にも「便秘」が逆流性食道炎の原因になります。これは自分の体の事を振り返る材料になりますね。
まずは、毎日の生活習慣を見直して胃の健康を維持しましょう!