日本の食文化が世界中で見直されていることをご存知でしょうか。
味噌、しょうゆ、お酢、みりん、漬物、納豆…などの発酵食品を積極的に摂取する食生活は、ビタミンやミネラルの他に、人間が生命を維持していくうえで欠くことのできない重要な役割を担う「酵素」を補います。
今回は「酵素の健康パワー」についてご紹介します。
世界遺産に登録された「和食」
2013年12月、国連教育科学文化機関(ユネスコ)は「和食」を無形文化遺産に登録しました。
自然や季節感(旬)を愛する日本人の心をよく表した和食は、味噌、しょうゆ、お酢、みりんなどの発酵調味料を使い、旨味が利いています。
また、旬の野菜を始め豆腐や納豆などの植物性たんぱく質をふんだんに摂取することもできます。こうした食習慣は動物性油脂の過剰摂取を抑え、肥満防止に役立つとも考えられ、無形文化財として保護・継承されることは喜ばしいことです。
ところが近年、生活習慣の欧米化とともに和食離れが進み、危機的状況にあることも指摘されています。
和食の主役は発酵食品!
食材を熟成・発酵させてつくる発酵食品は、ビタミンなどの栄養価が高いだけでなく、酵素を含んでいます。
酵素には、体内で食物を分解して消化吸収を助けるとても重要な働きがあります。つまり、酵素が不足した状態ではたんぱく質や脂質などを十分に分解することができず、うまく消化吸収されないのです。
酵素不足で腸内腐敗!?
肉食や高脂肪に偏った食事は、酵素不足を招く心配があります。特にたんぱく質が十分に分解されずに腸内にとどまって腐敗(異常発酵)すると、悪玉菌が増えて免疫力が低下し、肌荒れや便秘を引き起こすこともあるでしょう。
また、酵素分泌や酵素活性は年齢とともに低下するため、高齢者は体内でアミノ酸が不足しがちになり、心身の不調も出やすくなります。
豆腐や納豆、豆類など植物性たんぱく質を多く摂取し、味噌やしょうゆなどの発酵調味料で味付けする和食は手間がかかりますが、酵素不足を予防して健康を維持するためにも、ぜひ守りたい食習慣です。