数あるビタミンの中でも知名度ナンバーワンのビタミンC。
フレッシュで身体に良いイメージがあり、人間が生きていくために欠くことのできない栄養でもあります。
知っているようで意外と知られていない、ビタミンCの働きについてご紹介しましょう。
ビタミンCは酸っぱい?
ビタミンCは、お菓子やジュース、サプリメントなどで広く親しまれています。一般的にビタミンCは、レモンやオレンジの柑橘類に重なる「酸っぱい」イメージではないでしょうか。
しかし、高濃度のビタミンCは若干の酸味がありますが、食品やサプリメントに配合される濃度のビタミンCには、ほぼ味はありません。
一般的に「ビタミンC=柑橘類」のイメージを持つ人が多いことから、ビタミンC配合のお菓子やジュースは「ビタミンCたっぷり」を演出するために酸っぱい味付けにしてあると考えられます。
ビタミンCと壊血病
ビタミンCの別名「アスコルビン酸」(ascorbic acid)は、「壊血病」(scurvy)を防ぐことにその名前の由来があります。「壊血」とは、ビタミンCが不足することによって体内のコラーゲン繊維が脆くなった状態。
女性には美肌成分としておなじみのコラーゲンは、筋肉や内臓を維持するためにも欠かせないものですから、そのコラーゲン繊維が脆くなってしまうと、毛細血管の出血や歯茎からの出血、疲労感、食欲不振、不眠症などの症状が起きてしまいます。数百年前までは、長い航海によるビタミンC欠乏で壊血病になり、多くの命が奪われたとか。
多くの研究者の努力によりビタミンCの存在が明らかにされたこことで、人類は多大な恩恵を受けているのです。
変色を抑える!
先述の通り、肌のハリや弾力を保つコラーゲンの生成に、ビタミンCは欠くことのできないものです。さらに変色の抑制にも効果が認められています。
リンゴの切り口の変色は、ポリフェノールが酸化されて「キノン」という物質がつくられることによるものですが、ビタミンCはポリフェノールの酸化を抑え、リンゴの切り口や果汁の変色を抑えてくれます。これと同じ作用で、ビタミンCは人間の皮膚でも「フェノール」が「キノン」に酸化されるのを抑え、シミの元であるメラミン生成を抑え、美白に働くと考えられています。
現代の日本人のビタミンC摂取量であれば、壊血病のような欠乏症に苦しむことはありませんが、飲料などで積極的に利用することで、より効果的な美容や健康の維持を心がけてはいかがでしょうか。