お腹がポッコリとした内臓脂肪型肥満。これに高血糖、高血圧、脂質異常などが加わった状態を「メタボリックシンドローム」といいます。そして、メタボリックシンドロームに、高血圧、肥満、高脂血症、高血糖が重なって引き起こされる「こと」をドミノ倒しに例えて、「メタボリックドミノ」と呼びます。
メタボリックドミノとは?
メタボリックシンドローは糖尿病、動脈硬化、慢性腎臓病などさまざまな生活習慣病とも関係があります。また症状が悪化すれば、脳卒中や心筋梗塞・心不全、腎不全などの重い病気に至ってしまうことが「メタボリックドミノ」です。
一番最初のドミノは、
というドミノに続きます。
そして、最後に倒れるドミノたちが「神経障害、失明、腎不全、認知症、脳卒中、心不全、がん」です。
怖い!分かりやすいです。こうやって体は壊れていってしまうのですね。
みなさんもぜひ、自分を守る、家族を守るため、頭の端にこの「メタボリックドミノ」を描いて生活習慣を振り返ってみましょう。ドミノを倒さないようにするためにはどのようにしたらいいのでしょう。もちろん倒さないための方法もあります。
メタボリックドミノを倒す要因は?ドミノを倒さないために
一番最初のドミノは、内臓脂肪型肥満です。
肥満には、脂肪が皮下にたまる皮下脂肪型肥満(指で脂肪をつまむことができます)と、脂肪が内臓の周囲にたまる内臓脂肪型肥満があります。内臓脂肪型肥満の場合、腹囲は大きいですが、おなかをつまむことがなかなかできません。脂肪が肝臓や胃など臓器の周囲に溜まるため、それがいろいろな臓器に影響を与えてしまいます。
内臓脂肪型肥満の人は注意が必要です。肥満ではなくても、20歳のころに比べて体重が10㎏以上増えている人は注意が必要です。
女性の場合は女性ホルモンが動脈硬化の抑制などに働きかけますが、女性ホルモンが激減する閉経後は、男性同様に注意が必要になります。
一番最初のドミノを倒す原因は?
一番最初のドミノを倒す原因…つまり、内臓脂肪型肥満を引き起こす原因は?
そうです!みなさんよくご存知の「食べ過ぎ」と「運動不足」なんです。生活習慣病では、まずここから見直さなければいけません。早食いになっていませんか?炭水化物、塩分は摂り過ぎていませんか?歩いていますか?たばこは?お酒を飲み過ぎていませんか?
これらを改善することが、ドミノを倒さないために最も大切なのです。
すでに高血糖や高血圧、脂質異常などがある人は、再度このメタボリックドミノを頭に描いて、絶対倒さないようにまず一歩をはじめなければいけません。
メタボリックドミノは、体質などの遺伝的な要因が影響することもあるかもしれません。しかしあきらめることはないんです!遺伝子は変えられなくても、生活習慣の改善によって「遺伝子の働きは変えられる」ことが最近の研究でわかってきたそうです。生活習慣を改善すればドミノは倒れにくくなります。
みなさん、ご自分のために、ご家族のために、この記事を参考に健康で長生きしてください。