腸内環境が悪くなれば、血液が汚れてしまいます。そうすると、体中のいたる所に汚れた血液が流れることになります。血液の質が悪くなると、細胞はそれを嫌がって栄養素を取り込まなくなってしまいます。
便を見れば腸内環境がわかると言われています。今回は、大腸の働き、そして便を出すしくみについて理解し、自分を振り返ってみましょう。これが腸内環境を整える第一歩です!
大腸の働きと食べ物が便に変わるまで
大腸は最も病気の種類が多いとされています。つまり大腸の健康は全身の健康とつながっているということ!
まずは、大腸の働きを理解しておきましょう。
■ 大腸の長さ
大腸の長さは1.5mもあります。長さもそうですが驚きなのは、その表面積。大腸の内壁を広げると、表面積は約100平方メートル(テニスコート半分)にもなります。驚きです!なぜそんなにも広いのでしょうか。それは、大腸の内壁は平らではなく、消化や吸収の役割を持つ小さな突起があるためなのです。
■ 大腸の働き
大腸では、小腸から送られてきた食べ物から水分やミネラルを吸収し、便を作る働きがあります。
■ 食べ物が便になるまで
食べたものはまずは胃で消化されます。その約3時間後に小腸に。そして、約6時間後には小腸の終わりから大腸の入り口に到達します。約6時間で大腸の入り口に到着したら、その後はゆっくりと時間をかけて便を作っていきます。おかゆのようになった食べ物の水分やミネラルを吸収しながら15時間以上かけて便が形成されていきます。その速さは、時速15センチ。ゆっくりと便になっていくんですね。食べてから約20時間で肛門の近くまで降りてきます。そして、約24時間後に便意を感じることに。正常な方では、24時間から72時間ほどで食べたものが便になるわけです。
Q. 食後にすぐ便意を催すわけは?
胃に水や食べ物が入った時、脳への刺激が信号となり大腸が反応するからです。今、食べたものが便として出ているわけではありません。
Q. 便秘と診断される基準は?
- 3日以上排便がない(3日に1度出ていれば、薬など飲んで無理に出そうとしなくても大丈夫)
- 排便の量が1日にピンポン玉ぐらいの量(35g以下)
便を出すしくみ
便意を感じると、肛門の内側の内肛門括約筋が自然にゆるみ排便の準備をします。肛門の外側の筋肉は常に締め付けられている筋肉です。自分の意思でしかゆるめることができません。便意があると、内側が自動で開き、次に手動で外側を開き、便の通り道ができるのです。
どうして便秘になるの?
どうして便秘になるのでしょうか。単に便秘といってもその原因は様々です。
■ ぜんどう運動の不全型
食べ物の量が少なかったり、また、食物繊維が不足すれば便のかさが少なくなり、腸のぜんどう運動が起こりにくい。つまり大腸への刺激が少なくなり、ぜんどう運動が起こりにくくなるのです。
■ 直腸・肛門型
便を外に出す力が弱い。大腸の先に直腸がありますが、直腸に圧がかかると脳に指令を出すセンサーがあるために、圧力を感じ脳が反応して便意がおこります。
■ ストレス型
自律神経の乱れ。ストレスを修復するために副交感神経の働きが低下して大腸の収縮が悪くなります。
Q. シャワー付きトイレの利用は?
外の刺激で内肛門括約筋を強制的に開けている事になります。全く悪いとは言えないですが、外からの刺激になれてしまうと直腸のセンサーが鈍くなり働かなくなることもあるそうです。
Q. 便意を我慢していたら波のように便意がくるわけ?
便意を感じる時、脳は体へ弱めの指令を出しています。これを外肛門筋を閉めて我慢していると、いったん直腸が収縮して指令をあきらめますが、段々と「なぜあけないの?早くあけなさい!」と、強く指令を出すようになり、波のような強い便意がくることになります。
長時間 便秘が続くと…
小腸、大腸で吸収された栄養は血液から全身の細胞へと送られます。
冒頭で書きましたが、長時間ゴミが溜まった状態では、腸内で発生した腐敗物が血液中に流れ出すということになってしまいます。血液の質が悪くなると、細胞は嫌がって栄養素を取り込まなくなるんです。そうなれば、代謝機能を下げてしまうだけでなく、細胞に取り込まれなかった栄養素が周辺の脂肪に吸収されてしまいます。 少ししか食べないのに太りやすく、やせにくい…。となってしまいます。
さらに、血行の悪さは、にきび、肌荒れにもつながります。身体の機能の低下となっていきます。 便秘で下腹部に一日中違和感が起こり、それを気にするとストレスにもなり、うつなどの状態も引き起こしかねません。
排便は、自分の健康管理の大切な一つですから必ず毎日チェックしましょうね。