酸味のもととなる酢酸、クエン酸などの有機酸には疲労回復や食欲増進効果があります。
体内でのクエン酸の働き
レモンなどの柑橘類や梅干しに多く含まれているクエン酸は、疲労の原因物質や肩こりや腰痛の原因になる乳酸のもとを分解する働きがあります。ビタミンCの酸化も防いでくれたり、肥満や過酸化脂質の抑制したりする効果もあります。またシミやソバカスなど、夏の紫外線対策やダイエットや生活習慣にとても効果的です。
疲労の種類
長時間または短時間でも仕事や勉強をすると、その後にどっと疲れがでることがあります。また、スポーツや趣味を楽しんだ後でも、心地よい疲労感が残ることも。
疲労というのは、全体的または、部分的に身体を酷することで出てきます。一般的な身体の疲労だけでなく、眼の疲れや内臓の疲れなども同じです。
- 全身に疲れがでる「全身疲労」
- 主に筋肉の疲労をさす「身体的疲労」
- 脳や神経の疲れ「精神疲労」
さらに、「急性疲労」、「慢性疲労」と分けることができます。運動の途中や、運動が終わった後にでてくるのは、急性疲労です。通常は一晩ぐっすり眠ったり、何日間か激しい運動をやめてゆっくり休むことで回復します。
疲労回復のカギ「乳酸」
疲労回復のカギを握っているのは、体内で発生する「乳酸」という物質です。
私たちは、活動に必要なエネルギーの素、ぶどう糖を食物から摂取しています。ぶどう糖になるのは、ご飯やパン類、菓子類などに含まれている炭水化物です。炭水化物は、糖質とも呼ばれています。
糖質には以下の種類があり、分解されてから私たちの身体に消化吸収されます。
- 多糖類(でんぷん、グリコーゲン)
- 少糖類(麦芽類、ショ糖類、乳糖)
- 単糖類(ブドウ糖、果糖、ガラクトース)
炭水化物はまず、口の中で唾液と混ざり、胃を通って、十二指腸へ送られます。
次に、膵臓から分泌されるアミラーゼと混ぜると、ブドウ糖や麦芽糖などに分解されるのです。ブドウ糖はエネルギーとして、燃焼されます。
燃焼されたブドウ糖からは、焦性ブドウ糖と 乳酸が生まれ、最終的に、無毒の炭酸ガス(二酸化酸素)と水になって、体外へ排出されます。
この時にできる乳酸が疲労を感じさせる物質なのです。その後、乳酸が分解されれば、問題はありませんが、分解されないまま体内に残ると、私たちは疲労を感じることになります。
乳酸とクエン酸
乳酸は、主に筋肉の組織などに蓄積されます。肩にたまれば、肩こり、腰にたまれば腰痛の原因になります。
乳酸は、無酸素運動を行った時に蓄積される性質があります。 無酸素運動は重量挙げや筋力トレーニングなど、酸素を取り込まない運動のことです。 瞬間的に息を止めて、大きな力を発揮する特徴があるため、無酸素運動と言われています。有酸素運動は、ウォーキングや軽いジョギング、水泳などをさします。体脂肪を燃焼し、健康効果をあげるのは、有酸素運動が有利とされています。疲労感をなくすには、筋肉組織にたまった乳酸を速やかに分解させなければなりません。
ところが、クエン酸が体内に入ると、乳酸が分解されるサイクルが活発になり、 体内に蓄積されなくてすむのです。つまり、どんなにしつこい疲労でも、クエン酸が大きなお助けマンになります。
毎日の食事にもどんどんクエン酸を意識してとり入れましょう。