日本人に急増しているとされる肝臓病。主な原因はアルコールや脂質の摂り過ぎです。
「沈黙の臓器」とも呼ばれ、症状が現れた時には手遅れということも多い肝臓の障害について正しく知り、肝臓をいたわる生活を心がけましょう。
日本人に肝臓病が急増
肝臓は、糖質・脂質・タンパク質などの「代謝」の中心となり、「解毒」や「アルコール代謝」をつかさどる重要な臓器です。
しかし近年、日本では肝臓病患者数が急増しており、その主な原因は「アルコールの飲み過ぎ」や「過食」とされています。飲酒は適量であれば多くの健康作用が報告されていますが、飲み過ぎは「万病のもと」。
肝臓やアルコールについて正しく知り、肝臓をいたわる毎日を心がけましょう。
肝臓からのSOS、肝臓数値を知る!
肝臓の健康度は「GOT」や「GPT」、「γ‐GTP」といった数値で示されます。
GOTは「グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ」、GPTは「グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ」の略称で、どちらも肝細胞中に含まれる酵素の名称です。肝臓の細胞に障害が起こると血液中にGOTやGPTが流れ出てしまい、数値が高くなります。
また、脂質の消化を助ける胆汁の通り道である胆道に障害が起こると、γ‐GTPの数値が高くなってしまいます。
気づいた時は手遅れ?
私たちを元気にし、健康維持のために働いている肝臓ですが、負担がかかっていても気づかないケースが多く、自覚症状が現れた時には手遅れということも少なくありません。
飲み過ぎによる代表的な肝臓病のひとつが「脂肪肝」ですが、初期の段階で症状があることはまれで、やがて腹痛や黄疸の症状をともなう肝炎、肝硬変に移行すると命にも関わります。このため肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、日頃から気にかけておく必要があるのです。
健康診断を受診してGOTやGPTなどの数値に注意信号が点滅したら、アルコールや脂質を控え、適度な運動や十分な睡眠とともに肝臓をいたわる生活習慣を心がけましょう。
肝臓を守る食事とは
肝臓によい代表的な食品は、シジミやウコンなどが知られています。
シジミの健康パワーの源、オルニチンは、人間がエネルギーを生み出す時に生じる毒素「アンモニア」の分解に関わり、疲労や倦怠感の改善が期待されます。そして、ウコンに含まれるクルクミンは、近年の研究でさまざまな肝臓への働きが報告されている注目成分です。
また、最近では「肝臓エキス」なども飲酒をサポートする素材として知られるようになりました。肝臓エキスとは、健康なブタや牛の肝臓をタンパク質分解酵素で分解し抽出したエキスのことで、アミノ酸やビタミン類を豊富に含みます。
「酒呑み」の自覚がある人や肝臓の数値が気になる人は、これらの食品を積極的に摂ることをおすすめします。