夏から秋にかけては、寒暖差や気圧が変わりやすい気候が続きます。そんなとき、「膝の関節」に違和感を感じることはありませんか?
そう感じていらっしゃる方は以外と多いと思います。なぜなら、気温や気圧の変化は体に影響を与えるからです。中でも、膝痛の原因になるのが「気圧」。
今回は、膝の関節と「気圧」の関係、そして膝痛の予防、対処法などについてお話いたします。
二人に一人が膝痛?!
膝痛でお悩みの方は、2,500万人以上もおられるようです!50代から増え始め、60代以上になると二人に一人は痛みに悩んでるということに…
膝の痛みの原因は個人差がありますが、膝の軟骨の状態に変化が起きることがお悩みの原因になっているということが多いようです。
中には、骨と骨の間の軟骨(クッション)がすり減って衝撃が吸収できなくて、骨にまで影響が及んでいるということも。これがいわゆる「変形性ひざ関節症」です。
軟骨がすり減り、その破片で炎症が起きるのです。また軟骨がすり減ることで、骨どうしが直接あたり痛みが生じることに。
■ 痛みの元
- スポーツのケガなどは、何年か時間が経過して痛みの原因に。
- 加齢、筋力低下、事故によるケガ、メタボリックシンドロームなど。
- О脚。膝の負担が内側に集中するために内側の軟骨がすり減りやすい。
日本人の膝痛の方は、8割がО脚だと言われています・・・びっくりですが、靴のかかとの外側がけずれているときはО脚だそうですよ。
膝痛を引き起こす「気圧」
「雨になると膝が痛むのよね~今日は雨になりそう」。と、このような事を経験されたことはありませんか?実は、これにはちゃんとしたメカニズムがあったのです。
痛みは神経を通して脳に伝わり、痛みとして感じます。痛みを脳に伝える原因はいくつかありますが、「ブラジキニン」という物質が「神経細胞に作用して痛みを引き起こす物質」の一つなのです。
このブラジキニンが特定の場所に留まることで痛みが生じます。血行が良ければこのブラジキニンは血流にのって流れていき、留まる事はないのですが、血行が悪いと同じ場所に留まり「痛み」を発生させます。
低気圧が交感神経の働きを高めるということは、以前もお話しましたが、交換神経が高まると血管が収縮してしまいます。血管が収縮すると血流が悪くなり、先ほどの「ブラジキニン」が溜まってしまうために痛みがでてしまうのです。
簡単に説明しますと、
気圧の変化 → 交換神経の働きが高まる → 血管が収縮 → 血流が悪くなる → 痛みの原因物質が留まる → 痛み
という感じになります。
日常生活での膝痛の予防
階段の上り下り、立ち上がるときが辛い…生活に支障をきたす「膝の痛み」。
日常の生活において膝の負担はとても大きいものになっています。歩行だけでも体重の2.4倍がかかってしまいますし、階段を降りるときには実に体重の3.2倍以上がかかっているそうです。日常生活で膝痛を予防するためには?
■ 階段の上り下りで
・階段の手すりを使って下りると大きく負担を減らせます
・一段ずつ下りる・上る。片足で下りてもう片足でそろえるように下りる
■ 体重のコントロールで
体重が10キロ増えると、関節にかかる負担は、階段の下りでは32キロも増えることに…。
■ 椅子から立つ時、座る時
・「よっこらしょ!」と掛け声をかける。発声することで腹筋に力が入り膝の負担を軽減できます。
・前傾で立ち上がる。膝の関節に重心が近づくことで負担が減ります。
・椅子に座るときに先に手をつくことで負担軽減になります。
ちょっとした日常生活での工夫で痛みの軽減ができそうですね。「よっこらしょ」の掛け声、年齢を感じる…と思われていませんか?結構いいのですね。